ネコちゃんの飼育
初めてネコちゃんを迎えたら
ネコちゃんの愛くるしい姿と仕草は、飼い主様やご家族様にとって深い愛情を感じさせてくれます。ネコちゃんとの幸せな毎日には、基本的なしつけや病気の予防が欠かせません。
当院では、治療や定期的な健康診断をはじめ、しつけや日常のケアに関する質問も承りますので、いつでもお気軽にご相談ください。
ネコちゃんを迎えることが決まったら
まずは、お家の環境に慣れさせることからスタート!
ネコちゃんは環境の変化に特に敏感な動物です。新しい環境に戸惑いを隠せませんので、最初の数日間は注意が必要です。大きな音を出さずに穏やかで暖かい環境を整え、安心して過ごせるようにサポートしましょう。
また、先住のワンちゃんやネコちゃんなど、他のペットとの接触は、健康状態を確認するまで避けるようにしてください。
ネコちゃんを保護したら
一度、動物病院に連れてきてください!
「お家の近くでネコちゃんを保護した」「そのまま飼うことになった」というのが、増えているケースです。
保護したネコちゃんの健康を確認するためにも、できるだけ早く当院にご相談ください。検査を通じて健康状態をチェックいたします。病気の感染や感染リスクが疑われる場合は、特に早めの対応が求められます。
※院内感染防止として、保護されたネコちゃんをお連れになる場合は、事前に必ずお問い合わせください。
保護したネコちゃんを飼うと決めたら
ペットショップやブリーダーからネコちゃんを迎えた時と同様に、まずはお家の環境に慣れさせることが大切です。とくにこれまで自然で育ってきたネコちゃんは警戒心が強いため、時間をかけて慣れさせましょう。
また、すでにお家で別のネコちゃんを飼っている場合は、感染予防などの観点から、動物病院での健康確認や予防が終わるまでの約1カ月間はほかのネコちゃんたちとは別の環境で育てるようにしてください。
伝染病のチェックが陰性だった場合、同居のネコちゃんたちと一緒にしていただいて大丈夫です。
動物病院で行うこと
離乳しているかをチェック
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離乳している
病院で離乳していることが確認できたら、ミルクを自分で飲める子の場合は哺乳瓶・飲めない子はチューブで与えます。
保護されたネコちゃんは普通よりも小さかったり、衰弱していることも多いため、しっかりと体重を増やすこと&からだを冷やさないことを重視します。 -
離乳していない
お母さんネコの育児放棄や生まれたばかりなど、ネコちゃんが離乳していない場合は、飼い主がミルクをあげなければいけません。週齢などによって必要なカロリーや与える量などが異なるため、当院にて哺乳指導をさせていただきます。
離乳しているときと同様に、体重を増やすこと&からだを冷やさないことに注意します。
健康状態のチェック
自然という過酷な環境で過ごしてきたネコちゃんは、衰弱していたり感染症にかかっているなどの可能性が考えられます。そのため動物病院で、フードが食べられる状態か、風邪や感染症にかかっていないか、寄生虫がついていないかなどのチェックを行います。合わせてノミの駆除などの対処を行います。
また、ワンちゃんと比べて自由に外に飛び出していく習性があるため、ネコちゃんの体内にマイクロチップが埋め込まれていないか・飼い猫ではないかを確認します。
予防の処置
体重が増えたり、薬を使えるようになるまでの目安は約2ヶ月です。この頃になると体調も安定するので、予防の処置を行うことができます。
また、体重が1kg(目安)を越えたワクチン接種ができるようになるので、混合ワクチンなどを打ちます。
動物病院に行こう
ネコちゃんを連れてくるときは
初めての病院は、どの子も緊張しているものです。また、周りにはほかのワンちゃん・ネコちゃんもたくさんいます。できるだけ安全に、そして大切なネコちゃんが安心できるようにすることが大切です。
当院に連れてきていただく際は、キャリーに入れて連れてきていただくか、キャリーに入るのを嫌がるようであれば洗濯ネットに入った状態でご来院ください。一見かわいそうに思えるかもしれませんが、包まれていると安心するネコちゃんの習性を利用したものです。お待ちの間も、キャリーやネットから出さないようにご協力をお願いいたします。
ネコちゃんの予防スケジュール
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生後63日混合ワクチンの接種
- 1回目の接種の後、2回目の接種は約4週間後に行うのが一般的です
- ただし、生後60日以前にワクチン接種をした場合は、お母さんの免疫が残っているなどの原因でワクチン効果が不十分になる可能性があるため、2回目の接種後、約4週間後に3回目の接種をおすすめする場合もあります。
仔猫のときに2~3回の混合ワクチン接種を行ったら、次の接種は1年後となり、その後は年1回の接種で十分な効果が得られます。
しつけ・飼育について
仔猫のしつけについて、「水を飲まない」「トイレのしつけ」などのお悩みがよく聞かれます。
しつけに絶対はなく、その子の性格や特性によって方法は異なります。ネコちゃんのしつけ・飼育は焦らずに、愛情深く接してあげることが大切です。
当院では、その子の性格に合わせてしつけの相談を行っているので、どんな些細なことでも一度獣医師・スタッフまでご相談ください。
水を飲んでもらうための工夫
「ネコちゃんが水をあまり飲んでくれない…」というのは、実はよく聞くお悩みの1つです。その理由は、猫の祖先は砂漠で生活していたため、体内の水分が少なくても活動できるようになったといわれています。しかし、水分が少ないと尿が濃くなることが原因で尿路系の疾患になりやすいなどのリスクがあることも事実です。
ネコちゃんに水を飲んでもらうためには、ちょっとした工夫が効果的です。たとえば、ネコちゃんは「新鮮なお水が好き」だといわれており、ほかのネコちゃんが口をつけたお水などを避けることがあります。1日に数回お水を取り替えたり、複数お水のお皿を用意するといいでしょう。
また、それぞれの性格などによりお水やお水の器の好みがあるともいわれています。ぬるめの水を用意したり、器を変えてみるなど、愛猫の好みを見つけてみてください。
トイレのしつけについて
ネコちゃんのトイレのしつけは、お家に来た初日からスタートしましょう。ネコちゃんは自然とトイレの場所を求める動物です。トイレのしつけがうまくいくポイントには、「トイレの場所を固定する」ことが大切です。ただし、どのネコちゃんもすぐにトイレの場所を覚えるとは限りません。なかなかトイレを覚えられない子には、いつもトイレをする場所に移すという手段もあります。
また、ネコちゃんのトイレは、プラスワンルール(頭数+1個のトイレ)が必要だといわれています。できるだけ大きいトイレを設置するのが良いともいわれています。また、トイレ砂の形状やトイレの形(ドーム型や屋根なしなど)にもこだわりがあるネコちゃんもいるので、いろいろ試すのもおすすめです。
ネコちゃんが過ごす環境について
ネコちゃんは非常にデリケートかつ繊細な動物です。新しい環境に慣れるには時間が必要です。はじめは家の中をうろうろとしていますが、環境に慣れて行動範囲も広がっていきます。決して無理はさせず、少しずつ時間をかけてサポートすることが大切です。
ネコちゃんは「パーソナルスペース」を求める特性があるため、隠れ家のような場所を作ってあげましょう。市販されているドーム型のネコベッド、ダンボールに穴を開けた手づくりハウスでも、ネコちゃんにとって自分だけの安心できるスペースになり得るからです。
ネコちゃんの運動について
ネコちゃんの室内飼いにおける懸念点は、何といっても「運動不足」です。室内でもネコちゃんが積極的に動き、適度な運動でストレス解消できるシチュエーションが求められます。
キャットタワーや遊び道具を利用するなど、飼い主様やご家族様がネコちゃんの運動を積極的にサポートをすることが大切です。
食べ物について
ネコちゃんはもともと肉食動物です。現在でも限りなく肉食に近い動物だとされているため、野菜などの繊維の分解がとても苦手です。人間が食べるようなものをネコちゃん用に調理したとしても、栄養バランスを取ることが難しいといわれています。ネコちゃんには、基本的にキャットフードをあげるようにしましょう。
また、ネコちゃんには「与えてはいけない食べ物」が存在します。下記を参考に、与えないことはもちろん、目を離したすきにネコちゃんが食べてしまわないように注意してください。また、もし万が一食べてしまったときは、動物病院を受診してください。
ネコちゃんが食べてはいけない食べ物
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絶対にNGな食べ物
- ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニラ、にんにく 等)
- チョコレート、ココア
- アボカド
- アルコール
- 生のパン生地
- アワビ
- 人間用サプリメント
- ドックフード
- 生花(特にユリ)
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NGな食べ物
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト 等)
- 生卵
- 生肉
- 香辛料(胡椒、わさび、唐辛子 等)
- 野菜
- 青魚(サバ、イワシ 等)&マグロ
- 甲殻類(エビ、カニ、イカ、貝類 等)
- レバー