ワンちゃんの飼育
初めてワンちゃんを迎えたら
ワンちゃんとの生活は人生に潤いを与えてくれる素晴らしいものです。ワンちゃんを飼うことで、飼い主も健康になるというデータもあります。
ワンちゃんを飼う上で大切なのは、「飼い主もワンちゃんも楽しく幸せなこと」です。そのためには、しっかりと病気を予防したり、しつけを行うことなどが必要です。
当院にご来院頂く際は、定期的な健康診断や治療のほかにも、どんな些細なことでも相談ください。
ワンちゃんを迎えることが決まったら
まずは、お家の環境に慣れさせることからスタート!
家族として迎え入れたワンちゃんの愛くるしい姿は、飼い主様やご家族様にとって微笑ましく幸せな光景に映ることでしょう。
しかし、ワンちゃんにとっては、無邪気に見えても環境の変化により、戸惑いや不安といったストレスがかかっている可能性もあります。家の環境に慣れてもらうには、くつろげる飼育環境を整え、寝ている時は決して邪魔をせず、ワンちゃんから近づいてきたら優しく撫でてあげるなど、互いにペースを合わせた共同生活が信頼関係へとつながります。
動物病院に行こう
ワンちゃんを飼い始めたら、一度動物病院に連れて行きましょう。病院では、健康状態の確認や予防処置などを行います。
子犬のときは病気への免疫が特に少ないので、小さい頃から通院して健康管理をすることが大切です。
ワンちゃんを連れてくるときは
初めての病院は、どの子も緊張しているものです。また、周りにはほかのワンちゃん・ネコちゃんもたくさんいます。できるだけ安全に、そして大切なワンちゃんが安心できるようにすることが大切です。
当院に連れてきていただく際は、キャリーに入れて連れてきていただくか、リードをつないでお越しいただくようにお願いいたします。お待ちの間も、キャリーから出さない・リードはできるだけ短く持つなどのご協力をお願いいたします。
ワンちゃんの予防スケジュール
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生後60日混合ワクチンの接種
- 1回目の接種の後、2回目の接種は約4週間後に行うのが一般的です
- ただし、生後60日以前にワクチン接種をした場合は、お母さんの免疫が残っているなどの原因でワクチン効果が不十分になる可能性があるため、2回目の接種後、約4週間後に3回目の接種が必要です。
仔犬のときに2~3回の混合ワクチン接種を行ったら、次の接種は1年後となり、その後は年1回の接種で十分な効果が得られます。
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生後91日狂犬病ワクチン
狂犬病ワクチンは年に1回の接種が法律によって義務付けられています。
ワクチンの接種が終わったら、お住いの地域の管轄保健所の登録を行い、鑑札・済票を受け取ります。はじめての春健康診断、フィラリア・ノミ・ダニ予防
しつけ・飼育について
仔犬のしつけについて、「トイレのしつけ」「食糞」「噛む」などのお悩みがよく聞かれます。
しつけに絶対はなく、その子の性格や特性によって方法は異なります。ワンちゃんのしつけ・飼育は焦らずに、愛情深く接してあげることが大切です。また、「待て」「おすわり」などのしつけができてくれば、その他のしつけについてもコントロールできることが多いです。
当院では、その子の性格に合わせてしつけの相談を行っているので、どんな些細なことでも一度獣医師・スタッフまでご相談ください。
もし、なかなかしつけが浸透しなくてお困りの場合は、しつけ教室をご紹介することも可能です。ワンちゃんを褒めるとき・叱るとき
ワンちゃんは「高い声」を褒められていると認識しやすく、「低い声」は注意や警戒のサインとして理解します。褒める時は高めのトーン、叱る時は低めのトーンで話しかけてあげると、ワンちゃんたちも理解が深まります。
また、愛犬の名前を付け足した声かけに対して、「嬉しい」という認識になれば、名前を呼んだ時に反応してくれやすくなります。トイレについて
トイレのしつけは、ワンちゃんがやってきたらすぐに始めましょう。地面のにおいを嗅ぐ行為はトイレの場所を探しているサインです。そのサインを見逃さず、決められたトイレの場所に誘導してあげましょう。はじめは慣れず失敗するかもしれませんが、決して叱らずに成功した時はたくさん褒めましょう。
褒めて育てる心がけが、トイレの場所を覚える手助けとなります。食糞について
ワンちゃんがうんちを食べているところを見ると、びっくりしますよね。食糞は野生の名残ともいわれており、基本的には成長とともになくなることがほとんどです。
食糞のしつけでは、まず「消化を良くすること」が大切です。食糞をする理由として、栄養が十分に取れていない・消化器官が未発達であることなどからの「消化不良」も考えられます。栄養豊富なごはんを食べさせて、消化を良くしましょう。
また、うんちが目の前にある状態が続くと、自分のテリトリーをきれいにしようとして食糞してしまうケースもあります。ワンちゃんがうんちをしたらすぐに片づけて、フードやうんちのにおいが残らないように気を付けましょう。噛み癖について
ワンちゃんが甘噛みをする原因として、歯がむずがゆかったり、コミュニケーションをとっているつもりでいることなどが考えられます。また、噛めば飼い主さんがかまってくれる!と認識している子も少なくありません。とはいえ、甘嚙みは仔犬の成長過程の1つであるともいわれています。
たくさん遊んだり散歩をすることで噛むことから関心を遠ざけ、そこから噛むことへのしつけを始めてみましょう。また大切なのは、「噛んでいいもの・悪いものをしっかりと教えてあげること」です。自然で生きるワンちゃんは、お母さんや兄弟から叱られたりすることで、噛んではいけないことを覚えています。噛んではいけないものを噛んでいたら叱るなど、仔犬のうちからしっかりと教えてあげましょう。食べ物について
ワンちゃんはもともと肉食動物です。現在でも限りなく肉食に近い動物だとされているため、野菜などの繊維の分解がとても苦手です。人間が食べるようなものをワンちゃん用に調理したとしても、栄養バランスを取ることが難しいといわれています。ワンちゃんには、基本的にドックフードをあげるようにしましょう。
また、ワンちゃんには「与えてはいけない食べ物」が存在します。下記を参考に、与えないことはもちろん、目を離したすきにワンちゃんが食べてしまわないように注意してください。また、もし万が一食べてしまったときは、動物病院を受診してください。
ワンちゃんが食べてはいけない食べ物
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絶対にNGな食べ物
- ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニラ、にんにく 等)
- チョコレート
- ぶどう、レーズン
- 香辛料(胡椒、わさび、とうがらし 等)
- キシリトール(ガムなどの含有食品)
- ナッツ類
- アボカド
- さくらんぼ
- トマト
- アルコール
- 人間用のサプリメント、薬
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NGな食べ物
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト 等)
- 生卵
- 生肉
- 野菜
- 甲殻類(エビ、カニ、イカ、貝類 等)
- 煮干し、のり
- ほうれん草
- カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶 等)